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セミナー

◆◆中国に於けるグーグルと検閲

グーグルの検閲はこれが最後だ。くどいようだが、なぜこうなったのか時系列で見て行きたいので、しつこく過去の記事を調べている。それこそ10年ぐらいこうした中国の検閲にグーグルは関わって来て、こうした判断をしたのだから、相当の覚悟と調査と根回しをして来たはずだ。中国政府に対してのやり取りは中国系のアメリカ人が行ったのだから、中途半端な理解ではないはずだ。その勝算がまだ読めない。

これ以上は将来の事実で確かめるしか方法がなさそうだ。はっきり言えることは過去の経緯をこうして調べて来たが、今の状態のままで収束するとは到底思えない。勿論結論を想定は出来ないが、中国政府と決裂したままでは決してない。それは確かだ。結末は中国政府の面子をどう維持して締めくくるかだろう。この国は意見を言うことは日本と違って自由だ。

日本の場合にはそこそこ著名であれば、自由奔放な議論は嫌われる。発言した後で、お互いに議論してまとめて行くと言う習慣が日本人にはあまり無い。最近政 治論議がそれに近い。理由背景はともかく、こうして議論することは良いことかもしれない。この部分が日本人が最も弱いところで、日本人がグローバリゼー ション出来ない最大の部分だ。私自身は今まで、講演でも自由に発言して来たが、日本の社会では賛否があって、仕方が無いが、嫌われてしまう場合がある。それはそれで良いと思うが、反対だと言う発言を日本人はしないのはまずい。さて始めよう。

 

 

中国に於けるグーグルと検閲
2005年2月

最近、グーグルもまた中国の検閲要求に従うよう、攻撃を受けて来ている。グーグルは以下に書いてあることを企業として信じ ている、もしくは少なくともこのことを信じていることを書き留めている。ほぼ間違いなく、世界最大の検索企業としての立場において、彼等は注意深く倫理規 定に従わなければならないということを。言い方を変えれば、「邪悪になるな」である。基本的にこれは長期的な哲学であり、グーグルの意思決定を支配している。ー彼等は短期的に稼ごうとするよりかは長い年月の期間でビジネスの意思決定をしようとしているように思える。

グーグルはいつも、 ユー ザーに関することがすべてだ。彼等の単純なデザイン、利用し易さ、そして、全般的なエクセレンスがベストなユーザーの知識経験を得られるように目標とされ ている。「邪悪になるな。」と言うのは少なくとも理論の中で、検索者のための目標を達成するためのもう一つの要素である。

現在(2005 年2月)グーグルは中国の国内法にしたがっている。そして、中国での検索者はグーグルを利用して、ウェブを検索することが出来る。:検閲されたものではあるが。 グーグルは実際に自ら検閲することを選んで来ている。中国政府が認めていない言葉を絶えず更新したリストに従って。だから、一方で、グーグルは少なくとも、中国に於ける検索者に利用できる何らかの情報を作っていると言えるし、中国がその政策を改善しようとした時かつそうしたならば、そこでの存在感を確立しようとしているとあなたは主張することが出来る。

しかしながら、グーグル(そしてその他の検索の企業)は中国に対して立ち上がるべきであり、「邪悪になるな。」と言うスローガンを掲げ、中国が検閲政策を変更するまで、中国とのビジネスを完全に拒絶するべきだと言う考えの人たちがいる。グーグルのミッション・ステートメントにはこういう言葉がある。「世界 の情報を系統立てて、それを例外無く、アクセスでき、利用できるようにする。」明らかに、中国において、情報を検閲することを選ぶことはそのことに沿ってはい ない。

グーグルは選択の権利を持った。完全に中国から撤退し、巨大な検索市場を逃してしまうのかそれとも、中国の検閲要求に少なくとも 一 時的に応じるのか。彼等は中国の中にいる必要は無かった。彼等は中国の中にいることを選んだ。それは金のためであるからだと言える。

結論はこうだ。グーグルは主権国家の規則と法令に従うことを選んだ。グーグルは広大な未開拓の検索市場に入って行くために中国が求めていた代価を支払おうと決めた。そして、不幸なことにその代価には検閲が含まれていた。

私の個人的な意見だが、グーグルは中国での存在感を得るために、自らを売ったと言うことだ。彼等の検閲を遵守する理由付けは(グーグルの公式なブログから)「ユーザーがより良い検索経験を持つことが出来る」ためであった。ーまさにグーグルとともに。既に中国に存在感のある他の検索エンジンの会社は数多く あったので。( 2、3例を上げるとBaidu、Yahoo、MSN)

不幸なことに、これは「ネズミにクッキーを上げたら」(絵本でネズミがクッキーをもらったら今度はミルクが欲しい。ストローが欲しいと言うどんどん願望が出てくる子供向けの本。)のシナリオの類いだ。と言うのはグーグルが中国の要求に従って、いまや、自己検閲をしているのであるから、グーグルが今から、こ の一年の中で、大量の検索記録をひっくり返してしまい、中国からの要求を止めてしまったらどうなるのか?そして、その時点で、グーグルがもしかしたら、侵害された人権を保護するために、多分かなり儲かる市場から自らを解放することはどれほど困難なことだろうか?

「邪悪になるな。」というスロ−ガンは不幸にも、少しばかり、(希望的には一時的だが、)二の次になって来ているように私には思える。グーグルは極めて影響力のある企業として、道徳的な立場を取り、そして中国政府の要求に対して降参することを拒む機会を得た。しかしながら、グーグルはそうすることを選択し なかった。Meni Parkガレージの中の理想を追い求めた2人のやつから大分長い道のりをへて来たんだなあと感じる。

 

 

以上だ。これを書いたのは2005年2月だから、グーグルの創業者はこの頃からこうして悩んで来たのだと思う。それが今となって、こうした結果になったと言うことだ。彼等としては創業時からの彼等のマントラを守ることにしたと言うことだ。立派としか言いようが無い。ビジネスは利益を出すだけではなく、こう した信念とかマントラが必要だと言うことだ。良い勉強をした。グーグルの中国撤退は理解できた。しかしビジネスは全く別だ。こうしたマントラだけでは勝てない。「百度」にたいして、どう戦って行くのだろうか。彼等の残された道はアメリカ政府による政治的な解決しか無い。

さて次は元の切り上げに関連しているが、中国の貿易についてのWall Street journalの記事を見てみよう。2010年4月2日の記事だ。Cato Instituteから。http://www.cato.org/pub_display.php?pub_id=11652

China Trade and American Jobs
By Daniel J. Ikenson


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海野 恵一

スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長
海野 恵一
スウィングバイ2020株式会社 代表取締役社長。
1948年1月14日生まれ。東京大学経済学部卒業。
1972年、アメリカの監査法人アーサー・アンダーセン(1989年からアンダーセン・コンサルティング、2001年から現在のアクセンチュア)に入社。
名古屋事務所所長、経営戦略サービスグループリーダー、石油業北アジアリーダー、石油業アジアパシフィックリーダー、素材・エネルギー本部統括パートナーなどを歴任し、2001年に代表取締役に就任。
2003年の退任後は顧問に就任(2004年に退任)。2004年にスウィングバイ2020株式会社を設立、代表取締役社長に就任。
2008年現在、新速佰管理咨詢(大連)有限公司董事長、新速佰管理咨詢(上海)有限公司董事長、大連高新技術産業園区招商局高級招商顧問、大連市対外科学技術交流中心名誉顧問、無錫軟件外包発展顧問、
対日軟件出口企業連合会顧問、環境を考える経済人の会21事務局員を務める。