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セミナー

北山:海外経験が豊富だとお聞きしましたが?
村山氏:海外旅行が大好きなので中国、韓国、クロアチア、メキシコ、マレーシア、オランダ、インド、ネパール等様々な国を訪問した事があります。仕事で行った国を合わせると20カ国程訪問した事になります。
北山:いつから海外に興味を持っていたのですか?
村山氏:高校時代から海外には興味がありました。高校の英語講師と仲良くなり、益々海外に興味を持ちました。その後アメリカに渡り、ウィスコンシン大学マディソン校に入学しました。そこでは海外に学生を派遣して国際的なビジネス経験を提供する事を目的としたAIESECというサークルに出会いました。小泉元首相やIAEAのトップも輩出しています。そのサークルには常に10カ国以上の学生が集まっており、自分の世界観・国際交流観に大きな影響を与えました。サークルでは毎週末のようにパーティもやり、授業より国際交流に夢中になっていました。(笑)
 その後、AIESECを通してインドのコンピューターソフトウェア会社において半年間のインターンを経験し、WEBローカライゼーションの仕事を学びました。
 その後アクセンチュアに入社しました。当時20代の私が40~50代ぐらいの人にコンサルティングをするわけですから、プロジェクトが変わるたびに猛勉強の日々でした。ただ、御陰で短期間で様々な事を学ぶことができました。
具体的には2年間、某官公庁の基幹業務システム設計・開発・運用の経験を積み、その後同社戦略グループへ異動し、通信・ハイテク、及び製造業を中心に事業戦略、マーケティング戦略などの戦略立案から、組織・オペレーション改革、そして効果測定モニタリングの支援まで、企業の変革に深く携わりました。他にもBPO業界に関する市場調査をしたり、通信会社のグローバル戦略、海外進出企業の敗因分析、世界各国から来たメンバーと組んでグローバルプロジェクトを進める事もありました。
北山:大学時代から創業に至まで海外との関連が深かったのですね。どのような想いで創業に至ったのですか?
村山氏:いろんな国の人に会うと、当然の事ながら日本の国の事を聞かれます。しかし、恥ずかしながら自分は日本人なのに日本の事をしっかりと説明できませんでした。また、自分をはじめ日本人は日本の魅力を伝える事に関して消極的なのとは対照的に、世界各国の人々は英語が流暢でなくても、自分の国の事を熱心に発言して伝えていました。彼ら彼女ら同世代の学生達が10年後、20年後に社会の第一線で活躍するようになった時を想像すると、日本に対して危機感を感じずにはいれませんでした。日本は発信しないことを美徳と考える文化もありますが、謙虚さを保ちながらも良いところは発信すべきだと思いました。
 なんとか日本の魅力をもっと発信したいと考え抜いた結果、今の仕事に辿り着きました。学生時代に身につけた語学力と国際感覚、アクセンチュアで学んだITとコンサルティングスキルを組み合わせて、海外WEBマーケティング支援事業によって日本を世界に発信する仕事ができるのではないかと考え、池嶋という人間と二人で創業しました。現在は中国人・韓国人・モンゴル人・アメリカ人を含む10名の社員がいます。
また、30歳になる前までにはどうしても起業したいというこだわりもありました。実際29歳と半年くらいのタイミングで起業することができたので、なんとか自分との約束を守れた形になります。
北山:御社の事業内容を教えて頂けませんでしょうか?
村山氏:日本的豊かさを広く国内外に紹介していくというビジョンを核に、二つのビジネスを展開しています。一つは海外WEBマーケティング支援事業、もう一つはインバウンド観光支援事業です。
 海外WEBマーケティング支援事業は多言語(英語、韓国語、中国語(簡体字と繁体字)がメイン。それ以外も対応可能)でウェブの企画から製作、運営までを行ないます。多くのWEB製作会社は、翻訳会社と組み多言語HPを製作する事自体が目的となってしまっています。しかし弊社では本来の目的である“如何にWEBを活用し海外から注目を集め、それを成果に結びつけるか”にサービスの軸足を置いています。より企業の目的を達成する為に最適な広告や露出方法を選択・提供します。
 この事業で現在深くご支援させて頂いているお客様はウエスティンやシェラトンのホールディング会社であるスターウッドホテル&リゾート様です。グループ全体のポータルサイトの企画から製作、運営、プロモーションまでをトータルでご依頼頂いております。短期間でサイト構築を実現し、あるホテルでは4日間で300件以上のネット予約を獲得する等成果に結びつくサービスを提供させて頂いております。他にも大手自動車会社のグローバルのサイトの海外向けプロモーション支援のプロジェクトなどがあり、そこでは競合他社のWEBへの取り組みを分析しWEB戦略をコンサルティングさせて頂き、検索エンジンからの訪問者が15%増加しました。また御陰様で上記のお客様以外にも、大手上場企業から地方自治体まで長期的な契約を頂く実績が多数ございます。
北山:大手クライアントからはどのようなところが評価されていると思われますか?
村山氏:企画力とスピードではないでしょうか。弊社では企画段階から外国人ネイティブスタッフや海外ネットワークを活かし、日本人からだけの視点になってしまわないように、ターゲットとする国に受け入れられる事を念頭に置いて企画をしています。某ホテル様の案件では、担当者が外国人なので、英語で機敏にやりとりができる事が必要でした。以前は大手広告会社等様々な会社に依頼していたそうですが、対応の遅さに不満を持っていました。そのため、英語でのやりとりの対応スピードの早さも評価されたと思います。また、弊社クライアントの他の大手企業がある事も評価されたのではないかと思います。
北山:クライアントは大手企業が中心ですか?
村山氏:いいえ、中堅企業・中小企業もお手伝いさせて頂いております。大手企業でも国内向けには大きく予算を取っているのに、海外向けは非常に少ない予算しかさかない企業は提案までいっても実際にお仕事にはならないケースも多々ございます。結果的に、企業規模関係なく、海外ビジネスに対する本気度の高い企業様のお手伝いをさせて頂く事が多くなっています。
北山:中国向けでは、どのようなクライアントが多いのでしょうか?
村山氏:中国向けではメーカーが多いです。アリババ掲載以外にも自社サイトで中国市場に売り込みたいというクライアントも増えてきている状況です。また、中国向けということでは中国語でウェブサイトを構築し、中国人旅行者を集客したいという小売、飲食、自治体のお客様も増えています。
北山:インバウンド観光支援事業について教えて下さい。
村山氏:具体的に3つあります。“やまとごころ.jp”というインバウンド業界向けポータルサイトと訪日外国人向けフリーペーパーの自社媒体、それとインバウンド業界向けコンサルティング(マーケティング企画等)です。
 コンサルティングさせて頂いているのは、小売・飲食店・旅行・自治体等インバウンドに取り組んでいる方達です。具体的には某自治体におけるIT技術を用いた観光振興への取り組み企画へのコンサルティングや某大手飲食チェーン店での訪日外国人旅行者集客支援コンサルティングです。
“やまとごころ.jp”はインバウンドに取り組む企業やインバウンドに取り組む企業を支援する会社など、インバウンドに興味がある方が広く閲覧するサイトです。インバウンドに関する最新ニュースや各社のインバウンドに対する取り組み、インタビュー、ブログなど幅広い情報を発信しています。似たようなサイトがないため、現在月間15万PVほどのアクセスですが、業界No.1サイトとして認知されてきています。また、WEBからの情報発信以外に、セミナーやイベントも随時企画しており対面での情報発信も積極的に行なっています。
北山:最近中国人旅行客を対象としてインバウンドに取り組みたい企業は増えてきていますか?
村山氏:弊社に寄せられる問い合わせの内容を見ていると中国人観光客に対するインバウンドニーズが急拡大している事を感じます。問い合わせを頂くのは、直接インバウンドに携わっている企業の他に、商社や広告代理店やメーカーなど様々な業界に渡っています。また今年2009年7月1日から中国人富裕層に対する個人観光ビザが解禁されましたが、その動向を見ながら、今後本格的に参画したいという企業様も潜在的にかなり多いのではないかと思います。
北山:インバウンドに対して抵抗がある方はどのような事を感じているのでしょうか?
村山氏:インバウンドを始めようと思っている企業には、外国人旅行者と直接接点がある小売、飲食、自治体、ホテル、旅館、航空等あります。もう一方で外国人観光客の受け入れを支援する企業があります。両者に共通しているのは、最初はインバウンドに対して多少なりとも抵抗がある企業が多いということです。例えば、中国人旅行者はお金を沢山使うが、声が大きく他のお客様に迷惑がかかるのではないか等、ネガティブな情報が先に耳に入っています。その為、自ら壁を作り、おっくうになって何もやろうとしないという事が多いような気がします。インバウンドに対して海外はどこも日本とは対照的に積極的です。海外旅行に行くと身をもって体感できると思います。
北山:そうは言っても、日本人相手だけでは売り上げも伸び悩んでいるところも多いと思いますが?
村山氏:日本は市場自体が収縮していますので、日本人のみを相手にしていたのでは売り上げが下がるのは当然です。外国人旅行者にはビジネスチャンスがあるということは、およそ8割の経営者は理解していると思います。ただ頭で分っていても、「時期尚早」とか、「面倒だからやめとこう」と思っている方もいるのではないでしょうか。
北山:インバウンドは何から始めたらよいでしょうか?
村山氏:予算などの制限があるのであれば、まずは情報収集から始めてみるのも良いと思います。“やまとごろ.jp”で情報収集をしたり、セミナーに参加する事で業界の動きや他社の取り組み、色んなアプローチ方法が見えてきます。言葉が分らなくても、ある程度成果がでる事も多いのです。
北山:やまとごころ.jpでは、インバウンドで成果の出ている事例なども見る事ができるのでしょうか?
村山氏:“解決インバウンド”というコーナーやインバウンドコラムで紹介しています。例えばワタベウェディング様で日本式の結婚式を挙げたい外国人を獲得しているという事例や鉄道会社のインバウンドへの取り組みなどを取材し、コラムとして配信しています。また、最近ですが注目インバウンド企業インタビューというコーナーを設置し、ここではさまざまな業種におけるインバウンドへの取り組みを紹介しています。ラーメン博物館様やキディランド様等の飲食や小売で健闘されているところをはじめ、20社を超える企業をご紹介しております。是非ご自分と近い業種の他者がどのような取り組みをしているかを参考にして頂き、少しでもインバウンドに足を踏み入れて頂ければと思います。

話は変わりますが、インバウンドは、旅行客と直接接点のある業種の場合、ポップや接客を少し変えるだけで売り上げがリアルに変わります。先日弊社で主催したセミナーでドン・キホーテの幹部の方が、「インバウンドほどお金をかけずにリターンを得られるというものはない!」と仰っていました。インバウンドの場合、各企業が海外から外国人を呼ばなければならないのではなく、既にすぐ近くまで来ているので、あとはその流れを如何に引き寄せるかだけなのです。まずは一歩踏み出してみる事が大事です。一歩踏み出せば、何かがわかるのですから。
北山:御社の考えるインバウンドとは何でしょうか?
村山氏:インバウンドとは“日本のファンづくり“だと思っています。
日本ファンを作るには、まずは私達日本人が日本の良さを知る・発見するのが第一歩です。次に相手の事を理解する。外国人でも中国人、韓国人、フランス人によって伝え方が異なります。その次にそれをより効果的に発信し、外国人に伝えて興味を持ってもらい、消費行動を起こしてもらうことです。そして、中国を初めとして外国人観光客獲得競争時代に入っていると言われますが、リピートしてくれるファンを大切にする事が重要です。
 例えば、円高のこの時期に日本に来てくれる外国人は大切にすべきだと思います。なぜなら円安なので気軽に日本を訪問する外国人よりも日本とってはロイヤルカスタマーなのですから。
北山:逆にロイヤリティの高いファンに嫌われたら大変ですね(笑)
村山氏:少し大げさな表現になるかもしれませんが、インバウンドというものをより長期的かつ世界的視点で捉えて頂きたいですね。インバウンドは国策としても非常に重要な位置づけにあると思います。
日本に対する良いイメージを広めていく事は、日本の認知度や経済力にも影響します。今後益々経済力の弱まる日本が世界の中で存在価値を発揮していくためには、日本製品や日本の価値観を海外の方に理解してもらう事が大事です。

北山:今後の御社の展望を教えて頂けませんでしょうか?
村山氏:やはり多言語という差別化を持ちつつWEBに力を入れて行きたいですね。特に今後中国には益々力を入れていきます。3年以内に海外多言語WEBマーケティング支援事業とインバウンド支援事業を業界でナンバーワンを目指します。
インバウンドポータルサイトの“やまとごろこ.jp”も今年中に会員数を5000人、来年には1万人に増加させたいと思います。また自社で海外向けメディアも作る予定です。

北山:弊社オフィスは池袋ですが、お近くに御住まいなのですか?
村山氏:私は目白に住んでいます。職住接近ですね。仕事一筋なので日中に目白に出没することはありませんが、深夜12時頃には愛犬のトイプードルのケムケム(けむくじゃらな為)の散歩の為、目白中を徘徊しています。
池袋近くだと、読書が好きなので、ジュンク堂にはよく出没しています。ビジネス書を多く読み、社内のメンバーにフィードバックしたりします。テレビも“ガイアの夜明け”、“カンブリア宮殿”、“プロフェッショナルの流儀”とビジネス番組をいつか自分が出るぞ!という気持ちで見ています。ただ、自宅にはテレビを置いてませんので、いつも携帯で見ています。

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