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セミナー

◆◆第1講 中国の航空事情について考える(その4)
「地方都市へは鉄道で行くのも一考」?「夕発朝至寝台車」のススメ

日本では都市間移動の交通機関としての役目をほぼ終えてしまった寝台列車。国土の広い中国では、昔から目的地まで3日も4日かかる長距離列車が当たり前のように走っているが、切符が取れない、設備が悪い、時間がかかり過ぎるなどの理由で、忙しいビジネスマンには決して使いやすい乗り物ではなかった。

ところが、2004年4月、「夕発朝至(夕方発早朝着)」というキャッチコピーで登場した新型ノンストップ寝台車(Z列車=Zは直達のZhi Daより付けられた)が登場。車両はすべて新しいものに更新され、夕方に出発すれば、翌朝には目的地に着き、宿泊代も浮くとビジネスマン向けの長距離交通手段として定着した。当初は、北京?上海間を中心に限られた区間しか走っていなかったが、現在では北京を中心に、北はハルピンまで、南は長沙まで、西は蘭州まで、華東方面は寧波や福建省各地までそのネットワークが広がっている。

切符が買いやすいのもひとつのメリットだろう。編成のほぼ全車両が軟臥と言われる一等寝台(あるいはそれ以上のクラス)で構成されていることから、よほどのピーク時やイベント時でもなければ当日でも切符が買える上、往復での購入もほとんどの区間で可能になっている。

さらにユニークなのは、北京?上海間を走る新幹線タイプの寝台列車だろう。日本では全部椅子席で編成されているが、中国にはなんと新幹線の車内に寝台ベッドが組み込まれている列車がある。

この「夕発朝至」列車登場後まもない2004年5月、中国鉄路局筋の関係者のご好意で「ドイツ製車両」で編成されたZ列車に乗せてもらったが、おしゃれなバーエリア付きの食堂車や、使いやすい洗面所など、ドイツを中心に西欧圏内各国を結ぶ国際寝台
列車「シティナイトライン(CNL)」とコンセプトが似通っていると実感した覚えがある。

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伊藤雅雄

◆◆伊藤雅雄
大学で中国語と比較文化論などを研究。
卒業後、旅行会社に就職。以後20年あまり、方面を問わず「日本人の行きそうな外国の街」のほとんどを添乗や視察、営業などの目的で渡航。

とくに中国への造詣が深く、25年間で全土の省・自治区をほぼすべて訪問した。
業務の合間に地元の人々からさまざまな情報を仕入れ、「人々の暮らしや習慣」に興味を持つようになり、やがてエッセイやコラム執筆を始める。

2007年夏よりイギリスに在住。近著に「中国人ご一行様からクレームです(三修社刊)」。
雑誌への寄稿なども多数。