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◆◆「田子坊」特集01 「空紅羅<AKURAH>」
天野晴日様
空紅羅<AKURAH>(うどん屋)
【『田子坊(泰康路)』特集】
泰康路の一角にある『田子坊』で活躍している日本人経営者にインタビュー!!古き良き時代の町並みとモダンアートが見事に融合し、第二の新天地としても名高い『田子坊』。カフェ・雑貨・ブティック・ギャラリー等が入り組んだ迷路のように立ち並ぶこの場所には、毎日多くの人々がレトロな雰囲気に惹かれ集まってくる。今回から三度に渡り、この地で夢を実現させた経営者のこだわりショップをご紹介。【田子坊01】
第一弾は「空紅羅<AKURAH>(うどん屋)」の天野晴日様。田子坊の狭い路地を歩いていると、かわいらしい看板と出会います。木で造られた階段を昇ると、店内は黒のカラーを基調とした落ち着いた雰囲気。夕方にはテラスから沈む夕日を感じることができ、部屋の隅に飾られている花のオブジェがより一層モダンな和を惹きだします。オーナー天野様のセンスの光る店内で、田子坊の魅力を伺ってきました。
- ―出店までの御経緯をお聞かせ下さい。
- 大学時代に、8ヶ月間天津にある南開大学に留学していたこともあり、将来は中国を拠点に商売を始めたいという思いがありました。2006年3月に早稲田大学を卒業後、マーケティング会社に勤め始め、月一回のペースで上海に出張していた際に偶然出逢った田子坊の独特の雰囲気に惹かれ、以後度々足を運ぶようになりました。上海でお店を立ち上げるのであれば、観光客がガイドブックを観て訪れるような場所ではなく、地元の人達が慣れ親しんでいるようなローカル色が色濃く残るエリアに出店したいと考えていたので、田子坊で出店されているクライアントの方に声をかけていただいた事をきっかけに、2008年の3月、田子坊内に空紅羅<AKURAH>を出店することになりました。
- ―田子坊で出店するメリットは何でしょうか?
- 田子坊は、上海ではとても珍しい商業エリアです。一般的に、上海では営業許可書が義務づけられていますが、田子坊では、特別措置のため今のところお店が営業許可書なしで経営できています。現在、自分の年齢からしても自己資金にも限界があります。仮に、東京の一等地で今の田子坊の店舗規模と同じ条件の場合、資金が最低でも今の4、5倍は必要ですが、田子坊での出店であれば東京に出店するのに比べ、小額の資金で新規店舗を開業することができるので、若くして起業精神のある人達にとって上海は可能性にあふれた市場だと思います。
- ―田子坊に「うどん」のお店を開店した理由は何ですか?
- 田子坊にないジャンルの飲食店で、自分が無理をすることなく、また自分の好きなもので開店したいと考えていました。それが「うどん」でした。
- ―「うどん」の材料の仕入先、価格設定について教えてください。
- 材料は日系企業から仕入れています。ダシは日本産の花鰹と北海道利尻産の昆布を使い、毎日朝仕込んでいます。作ったダシは使いきりで次の日には持ち越しません。また価格に関しては、田子坊エリア内の飲食店の価格も参考にしています。
- ―スタッフ採用と教育方法について教えてください。
- 現在、スタッフは5名、全て中国人の方です。礼儀正しい方、自ら動き、効率よく業務をこなす方を採用しています。私が上海不在の場合は、中国人スタッフに店長代理をお願いしています。教育方法についてですが、スタッフが何か失敗する度に教えていくしかないので、私が気づいたことがあればその場で注意をしています。最近はスタッフの意識、接客スキルが向上してきたので、書面にて注意事項などを共有することもあります。
- ―どのようなお客様が多くいらっしゃるのでしょうか?
- 日によって来客数は異なります。また天候も大いに関係してきます。日本人のお客様は全体の半分程度で、その他は欧米人と中国人のホワイトカラーの方が中心です。どの国の方も箸を使って麺を上手に召し上がります。欧米人のお客様は、マナー上、音を立てないようにうどんを一本ずつお召し上がりになるのですが、日本人の私の視点から見ると、とても新鮮に映ります。
- ―本店オススメの「うどん」は何ですか?
- オススメは、きつねうどん、カレーうどん、てんぷらうどんです。オーソドックスなものがやはり人気があるようです。
- ―本店の広報について教えてください。
- 広報に関しては、メディアから打診があれば出来るだけ協力しています。しかし、やはり来店されたお客様によって人づてにご紹介していただくことが主要なパートを占めています。ただでさえお店が見つけにくい場所にあるので、お客様を大切にして、リピーターを増やしていくという作業の繰り返しが重要になってくると思っています。店内は食べ放題、飲み放題などはありませんが、事前予約で貸し切りパーティー等も承っております。
- ―日本と中国の文化の違いで苦労された点は何ですか?
- スタッフの清潔観に対する意識の改善に苦労しました。開店当初、器は濡れたまま、お箸も適当に置いてしまうというようなことが多々あり、私たち日本人が当たり前に感じる接客、礼儀、細かい配慮が欠けていました。スタッフの接客サービスレベル向上を心がけました。
- ―このお店の経営者となったわけですが、以前と比べて何か変化はありましたか?
- 以前OLとして会社勤めしていた頃は、時間の自由もなく、毎日与えられた仕事を確実にこなせば「仕事が出来る」と評価されました。しかし、今は自分が経営者という立場なので評価はすべて自分の決断によって決まり、結果もその自分の判断によって大きく変わってきます。決められた仕事ではなく自分で決める仕事の方が圧倒的に多くなり、しっかりとセルフマネジメントをしないといけなくなりました。そこが以前と
比べて大きく変わったところですね。 - ―空紅羅<AKURAH>の由来を教えてください。
- 私の姓には「天」が、名前には「晴」や「日」と空に関する言葉があるので“空”を、自分の中でお店のテーマカラーを紅色と決めていたので“紅”を、そして羅生門の“羅”は強い土地で頑張って生きていくという意味があることから、友人に空紅羅<AKURAH>という名前をつけて貰いました。
- ―今後のビジョンを教えてください。
- 出店にあたり、店内で各国の方々がうどんを食べている姿を想像していましたが、日本人のお客様が多くなっていることに驚いています。私はより多くの方々に、「うどん」を日本の健康的なファーストフードとして捉えて頂き、「うどん」がそのような位置づけで広まれば本望です。また、今後は自分の強み、特性を活かしながら飲食以外の分野の仕事にも関われたらと思っています。
- ―留学している学生へ一言お願いします。
- たとえ学生でも、人、お金、時間のリソースを活用することで商売の種を見つけることができると思います。起業精神を持って自己実現をしようとする人にとって、上海はチャンスがある大都市だと思います。5年後、10年後、自分が思い描く理想を実現するために努力し、何事も最後は自分で決断して結果に責任を持つことが大切だと思います。
- ―ありがとうございました。
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空紅羅<AKURAH>(うどん屋)
天野晴日様住所:上海市上海市盧湾区泰康路248弄47号1、2F
連絡先:021-5465-9902
営業時間:11:30~22:00
E-mail:udon_cafe_akurah@yahoo.co.jp -
インタビュアー:中原周一、吉田めぐみ
執筆:吉田めぐみ
校正担当:浜田あゆみ、東雲智鈴、丸山由貴 -
【編集後記】
今回、快く私たちの取材を受けてくださいました。自分のお店を経営することが如何
に大変か、今の私には想像もつきませんが、一緒にお話させて頂いた中で、今後の明
確な目標を語ってくださる天野さんの姿が凛々しく思えました。知性と優しさを兼ね
備えた天野さんのスマートな話し方にとても憧れます。(吉田めぐみ)
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- 「せっかく中国経済の中心地・上海でいるんだから、生の中国ビジネスに触れたい!」そんな思いを胸に、当時、上海財経大学に留学していた小林直樹が立ち上げたサークルです。現在のメンバーは、日本人留学生と中国人大学生で構成されており、上海で活躍する日系企業を取材し、それを「RINKOKUメールマガジン」として発行中です。他にも、留学生向けセミナーや、中国人学生向けの企業見学会を開催しています。全活動の方針を決める定例会議を、毎週土曜日午前10時より、上海財経大学の中山北一路校区で開いています。










