【印刷用レイアウト】

セミナー


◆◆精工電子商業(上海)有限公司(2/2)
   総経理 松浦 孝志氏
   『「かな品質」を誇り続ける会社でありたい』
   

〈前号のつづき〉

―現地スタッフを育成するお考えはありますか。
現地スタッフを長期的に育成する計画はあります。日本からの赴任者がOJT方式(※)で現地スタッフの教育を行っています。しかし、実際には、育成する過程で何が起こるか分かりません。

「どのようにすれば中国人スタッフを効率よく育てられるか」と、試行錯誤を繰り返しながら、段々とお互いの特性を理解していくべきです。その結果、中国人スタッフと教育する日本人の両方が成長できると思います。既存の教育方式にこだわらず、模索し続けることで、日中両スタッフがお互いに成長していくことが重要ではないでしょうか。

※OJT方式・・(On-The-Job Trainingの略)それぞれの担当業務を実際に経験しながら教育を進めること(http://ja.wikipedia.org/wiki/OJTより)
―御社は電子部品の営業を中心に中国への進出をはたしておりますが、今後更に電子部品以外への進出を考えていらっしゃいますか。
今後は電子辞書の機能の充実化を図りたいです。当社の電子辞書の押しボタンは、パソコンのキーボード式で非常に使いやすいのですが、手書き入力の分野ではまだまだ後れを取っている状態です。

また、オーダーエントリーシステムの導入を拡大しようと検討しています。オーダーエントリーシステムとは、メニューを注文する際、オーダーを専用機器に入力して無線でキッチンに伝えるというシステムです。注文後、すぐキッチンにあるランプが点滅し、オーダーを最速で料理人に伝えます。日本の大手レストランでは既に導入されており、お客さまからは好評をいただいております。

日本人は注文してからすぐメニューが運ばれてくるという無駄の少ないシステムに魅力を感じる傾向があります。逆に、中国人は上流階級であるほど、事あるごとに店員にサービスしてもらいたがる傾向があるので、ただ早くオーダーを伝えるというシステムに対してあまり魅力を感じません。それよりは徹底的にサービスしてもらうことに満足を覚えるようです。ですが、現在の中国人の若者の感覚は日本人に近くなってきており、今後はより一層オーダーエントリーシステムの浸透が進むと思います。
―松浦氏が業務を行う上で日頃から心掛けていることは何ですか。
ローカルスタッフの話をよく聞くことです。彼らとよく話をすることで、彼らの考えや彼らの中にある問題などを提起してもらうことが出来ます。そうすることで、問題点を改善し、業務を円滑に推進することができるのです。
―最後に、中国にいる日本人留学生に一言お願いします。
一つは、わが社で中国人を採用する際、彼らの日本語能力の高さ、前向きな姿勢、またハングリー精神に驚かされます。日本人も危機感を持たなければ、あっという間に中国人に追い抜かれてしまいます。日本ではフリーターの割合が増えていますが、一定水準の生活を過ごすことができればいいという風潮があります。これは国の経済政策の問題でもあり、一概に若い人々たちの責任だけではありません。若い人々には、そういった風潮に流されず、しっかり目標をもち精一杯頑張ってほしいです。

もう一つは、『教養』をしっかり積んでほしいです。ここでの『教養』とは、歴史、文学、哲学を指します。現代の日本教育では、短期スパンで物事を捉え、すぐに役立つものを重視しがちです。そうではなく、若いうちに様々なジャンルの本に触れ、知識を貯蓄することが大事だと思います。例えば、「なんでこの世に人間は存在するのだろう?」などと、根本的な問題についてじっくり考えることです。

先進国で活躍する人々に自国の歴史などを問われ、答えることができないようでは、そういった一流の人々と渡り合っていけません。先進国で一流と呼ばれる人は、世界での一流ということを意味します。今後、日本人はそういった世界の方々と勝負していかなければいけないのです。そういった深い意味をこめて、世界一流の『教養』をこれからの若い人達には身につけてもらいたいです。
―ありがとうございました。
精工電子商業『上海』有限会社
総経理 松浦 孝志氏
http://www.sii.co.jp/

中国上海市淮海中路138号上海広場29楼
電話:021-6375―6611
FAX:021-6375-6727

取材:藤本大貴
執筆:藤本大貴
同行:中原周一、日高愛理、佐藤友梨
校正担当:松村伸幸、山本ゆり

【編集後記】

SEIKOさんに対してとても時計のイメージが強かったのですが、主に電子部品を扱い、腕時計関連は全体の15%しか扱っていないことに驚きました。急速な経済成長をみせる中国では今後、高品質な商品の需要が高まり、SIIも更に市場を拡大していくでしょう。また、松浦氏からは『教養』の大切さを学びました。短いスパンで物事を考えるのでなく、哲学、歴史などを学び、日頃から根本的な問題について深く考えていきたいです。今後SIIさんには独自の商品をどんどん開発して頂き、さらに市場を拡大していってほしいです。(藤本大貴)


◆◆RINKOKU企業紹介ページはこちらから

http://www.chinabusiness-support.com/archives/1416
コラム一覧へ戻る

RINKOKU

RINKOKU
「せっかく中国経済の中心地・上海でいるんだから、生の中国ビジネスに触れたい!」そんな思いを胸に、当時、上海財経大学に留学していた小林直樹が立ち上げたサークルです。現在のメンバーは、日本人留学生と中国人大学生で構成されており、上海で活躍する日系企業を取材し、それを「RINKOKUメールマガジン」として発行中です。他にも、留学生向けセミナーや、中国人学生向けの企業見学会を開催しています。全活動の方針を決める定例会議を、毎週土曜日午前10時より、上海財経大学の中山北一路校区で開いています。