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◆◆ファミリーマート(1/3)
中国社名:上海福満家便利有限公司(全家)
董事長室 経理 倉掛 直 氏
総経理室 経理 陳 明志 氏
『お客様と家族的なお付き合いをしながら、発展していきたい』
【今回の企業】
中国では「全家」という名でおなじみの「FamilyMart」。日本だけにとどまらず、現在では台湾、韓国、タイ、アメリカ、中国の五つの国と地域に拠点を広げており、これからも世界各国への出店が加速しそうです。海外は88年の台湾出店を足がかりに、今では世界中に13662店舗(2007年11月末現在)を構え、中国では上海に04年、広州に06年、蘇州に07年出店し、現在123店舗。「お客様の期待を超えるサービスを提供したい」と熱意溢れるお二人にお話を伺いました。
- ―はじめに倉掛様のご経歴を教えてください。
- (倉掛)
大学時代、ファミリーマートでアルバイトをしていた時に、店舗巡回指導員であるSV(スーパーバイザー)になりたいと思い、それがきっかけで大学卒業後にファミリーマートに入社しました。当時は、まだ100店舗ぐらいしかありませんでした。
そして入社後、店長などを約1年、SVを約6年担当した後、本社へ異動となり、POSシステム導入業務に関わったことがきっかけで、そのままシステム開発に携わることとなりました。
システムを担当していた当時、台湾赴任の話が持ち上がり、95年に台湾へ赴任することになりました。台湾でもPOSシステムの導入が必要になってきたためです。台湾ファミリーマートには6年間ほど勤務していました。赴任当初は300店に満たない店舗数だったのですが、帰国時には約1200店ほどに成長していました。実は陳さんと出会ったのも、台湾赴任がきっかけでした。
01年の暮れに日本へ戻り、6年間FM本社でシステム開発や企画を担当。07年はセキュリティや世界各国のシステムのモジュール化(注1)計画などの取り組みをしていましたが、以前から台湾の経験を活かして、今度は中国で仕事がしたいと思っていました。そして07年7月、他国での人事異動によってたまたま上海のポストが空き、赴任の話が出てきたので、念願だった上海ファミリーマートへ赴任することになりました。
(注1)モジュール化…システムを機能的にまとめること。 - ―陳さんのご経歴を教えてください。
- (陳)
02年に上海ファミリーマートの立ち上げのために上海に赴任して以来、総合企画、ライセンス、広報を担当しています。それまでは88年の台湾ファミリーマート立ち上げからずっと台湾で総合企画を担当していました。2007年12月いっぱいで、また台湾業務に戻ることになりました。 - ―ファミリーマートの中国名「全家」の由来を教えてください。
- (倉掛)
日本での「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のスローガンと同様、中国では、「全家就是(注1)ni家」と打ち出しています。日本語に訳すと「ファミリーマートはあなたの家ですよ」という意味です。日本と同じく、語呂のリズムを大切にしています。
注1:人偏に尓。中国語で「あなた」という意味。 - ―なぜ上海への進出を決めたのですか?
- (倉掛)
(注2)CVS出店には基準があるのですが、上海は人口が多くてGDPも高く、出店可能と判断した訳です。中国では既にどこの都市にもCVSが飽和した状態であり、競合を避けることは不可能です。他の企業でも上海や広州といった沿海部を中心とした進出を積極化しています。
(注2)CVS:コンビニエンスストアの略。
(陳)
また、上海に弊社が参入した時を思い返しますと、すでに上海でも5000店近くのコンビニがあり、一見すると飽和状態で参入する隙がないようでした。しかし、上海のコンビニ業界のレベルがそれほど高くなく、QSC(クオリティー、サービス、クリーネス)においてファミリーマートの競争力が十分に発揮できると判断しました。こういった理由で、上海に新規参入をすることにしました。 - ―これまでにどのような取材を受けられましたか?
- (倉掛)
研究機関の方の取材が意外と多いですね。行政関係者、銀行、大学教授の方などがいらっしゃいました。弊社のビジネスモデルに関する取材もありました。日本と台湾のノウハウを中心とし、そこに中国のスタッフの意見や考えを融合した「三地域のノウハウで経営するビジネスモデル」が評価されているのでしょう。
あと、「中国を消費マーケットと捉えた業種」として取材されますね。これまでは生産基地としての中国の魅力がクローズアップされてきましたが、これからは巨大マーケット、消費の場として注目されていくからでしょうね。 - ―「三地域のノウハウで経営するビジネスモデル」とは具体的にどのようなものですか?
- (倉掛)
中国マーケットでは、基本的に台湾のノウハウを中心にして運営しています。しかし、台湾のノウハウでは適応できないケースもあります。例えば、台湾は「コンビニの水商売」といわれるほど飲料系の構成比が高いので、その分お弁当やパンなど中食の構成比が低いのです。
反対に本土は中食の構成比が高いので、こういった場合は、日本のノウハウをアレンジして使います。中国では、このケースは台湾ノウハウ、このケースは日本ノウハウという具合で対応し、最終的に現地ノウハウ化していくのが良いんです。
蛇足ですが、台湾の状況をご説明いたしますと、日本のノウハウだけでほぼ対応可能でした。日本には店舗開店のためのフォームというのがあり、店舗予定地前の道路の通行量、立地条件など詳細を落とし込むと、売上予測が出せるシステムがありますが、これは台湾でもほぼ当てはめることが可能でした。 - ―日本と中国における商品の売上構成には、どのような違いがございますか?
- (倉掛)
中国のほうが日本より中食の売上がやや多い傾向にあります。広州では面白いことに、中食の売上が全体の半分を占めています。広州は中国全土で外食率が一番高いと言われているんだそうです。
逆に、日用品の売上比率は中国のほうが低くなっています。日用品は、スーパーやハイパーマーケットなどで大量廉価販売されています。消費者はそちらで購入しているようです。また、最近では化粧品の売上が増えてきています。5年前には考えられなかったようですね。時代の流れを感じます。 - ―広州の店舗では、お弁当の惣菜をよそうサービスがあるという話を聞きましたが、本当ですか?
- (陳)
それは本当です。中国人は温かいものをそのまま食べる習慣があります。中国では、特に年配の方の多くは「冷えた弁当は新鮮ではない」と思ってしまうのか、冷たい弁当の受けがそれほどよくありません。最近では、若者にはレンジで加熱をして食べる習慣がようやく受け入れられつつあり、それに伴い売上も良くなりました。 - 次号につづく ≫
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