◆◆カゴメ(杭州)食品有限公司(1/3)
董事長総経理 浅野 正心氏
『商品ブランド・企業ブランドを守り続ける』
【今回の企業】
日本で野菜ジュースといえば真っ先に思いつくのは「カゴメ」ですよね。2006年から中国での事業を開始した「カゴメ」。最近中国で新しく発売したマンゴー味の野菜ジュースは飲みやすさもアップし、ますます購買人口を伸ばしている様子。そんな可果美(杭州)食品有限公司、浅野董事長総経理にカゴメブランド品質に対する同社のこだわりをお聞きしました。
- ―浅野董事長総経理の経歴について教えてください。
- 1975年にカゴメに入社し、営業・営業企画系の部署を経て、1995年6月から2000年6月まで東京本社営業推進部長として営業を統括する業務に携わっていました。全国の全営業マンにノート型PCを業界内で先駆けて配備し、営業ネットワークのインフラ作りに取り組みました。社内ネットワークで様々な営業のメニュープログラムの開発等を行い、全国の営業マンの誰でもリアルタイムに営業情報を共有化することが可能になりました。当時は、PCの普及によって得られた成果が大変大きかったと思います。当時はこのことを『営業の革新』としてメディアなどがよく取り上げていました。その後、食品事業部長、コーポレートブランド戦略室長等を経て、2004年12月に東京本社中国事業推進室長に着任し、2005年8月から可果美(杭州)食品有限公司の董事長総経理として上海で働いています。
- ―まず会社概要を教えてください。
- 弊社は、日本のカゴメが61%・伊藤忠商事が10%・台湾系企業「康師傅」が29%の出資比率で作った3社合弁企業です。資本金は900万$で、2005年8月に可果美(杭州)食品有限公司を設立し、2006年6月から上海市場にチルド商品(要冷蔵商品)、同年秋
からドライ商品(常温商品)を販売しております。生産工場は杭州市の経済技術開発区にあります。 - ―御社商品の販売経路を教えてください。
- 上海のチルド商品では、ウォールマートやカルフールなどのハイパーマーケット(大規模小売店)を最有力チャネル、またCVS(コンビニエンスストア)をそれに次ぐチャネルと位置づけております。
上海のドライ商品はチルド商品では到達できないチャネル(例えばスーパーマーケットや飲料専用アウトレットなど)向けとして販売しております。上海以外のエリア(北京・青島・成都・広州など)は日系流通など質販チャネルに限定して販売を行っております。
- ―チルド商品とドライ商品の違いを教えてください。また、どうして二種類に分ける必要があるのでしょう?
- 製造段階で熱殺菌にかける温度×時間が違います。ドライのほうが高温度で長時間熱殺菌するんですね。そうすることにより、長い賞味期限を保証することができます。しかし、同時に素材の風味も少しですが落ちてしまいます。対してチルド商品は殺菌にかける熱量が少ないので、賞味期限は短いですが、素材の風味をそのまま味わうことができます。
二種類の商品を作った理由ですが、中国の商品管理レベルと関係があります。お察しかもしれませんが、日本に比べて中国の組織小売業は歴史が浅いですよね。ですから、売り場や商品管理のレベルが日本や欧米に比べて若干遅れています。
商品管理が比較的しっかりした企業には、21日間のショートライフであるチルド商品を販売してもらい、一方で商品管理能力がまだまだ不十分なチェーン、あるいは小規模の売店などには、ドライ商品を販売してもらっています。
また、運送など社会インフラの問題で、チルド商品が行き届かないエリアにはドライ商品を販売しております。
- ―2007年11月現在の、御社の売り上げ構成比を教えてください。
- 温度帯別で見てみると、チルド商品の野菜ジュースとドライ商品の野菜ジュースの売り上げ比率は50:50で同じ比率になっています。野菜ジュースの種類別で見てみると、チルド商品では、ニンジンとフルーツをミックスした「オリジナル」の比率が40%。トマトとフルーツをミックスした「赤の野菜」の割合が約20%。紫ニンジンとフルーツをミックスした「紫の野菜」の割合が約20%。「ニンジン100%ジュース」の割合が約10%。「トマト100%ジュース」の割合が約10%、の順になっています。ドライ商品である「野菜一日これ一本」はCVSで取り扱っていることもあり、「オリジナル」に次ぐ2位の売上となっています。
- ―主なターゲット層は?
- 25歳から35歳のホワイトカラー女性をメインターゲットとしています。また、所得水準では年間所得5万元以上となっています。上海市内で言うと全人口が1800万人、その中で上海戸籍ではない人が400万人程度いると推定されるので、それを引いた1400万人の中で上の条件を満たす人々は大体300万人と考えております。
- ―ターゲットの変更はよくあることなのですか?
- 成熟期に入ると十分ありますね。野菜ジュース市場ではおそらく日本が世界で一番進んでいる国だと思います。日本の野菜ジュースは、ちょうど今から74年前、日本カゴメが「カゴメトマトジュース」を出したのが起源ですね。
初期の購買者は「自分の健康は自分で守らなければ」という意識が徐々に芽生え始める「50歳を過ぎた中年男性」が中心でした。
その後1995年に「野菜生活」を発売しました。野菜の栄養とフルーツジュースの飲みやすさをブレンドしたことにより、若い女性や子供などにも受容され、購買層が格段に広がりました。今までフルーツ飲料を「ただ美味しいから」という理由で飲んでいた人たちや、特別健康を意識していなかった人たちの間で「どうせ飲むなら健康にいいものを」という考えが広まり、野菜ジュースのマーケットが広がっていきました。
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