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セミナー

―北山:顧様はSBIベリトランスとSBIチャイナブランディングの二社に所属され、マネージャーとして、海外プロジェクトを担当されていらっしゃいますね。それぞれの事業内容を教えて下さい。
顧氏:SBIベリトランスはネットでトータル金融サービスを提供するSBIホールディングス傘下の会社です。ネットで安心して買い物ができるようにするための決済サービスを提供しており、国内のネット決済(BtoC)では全体の約3分の1を占め、年間約1兆円の決済処理を担当している業界のリーディングカンパニーです。また、資本金10億6,376万円の上場企業でもあります。

SBIチャイナブランディングはSBIベリトランスの子会社として誕生し、中国に対するEC分野の支援を行なっています。双方の得意な分野を活かし、より万全な体制でお客様に中国ECソリューションを提供しています。
―北山:“チャイナブランディング”とは良い社名ですね。
顧氏:社名にはただ中国に売り込むのではなく、中国での企業や商品の価値を高めたいという願いが込められています。中国人が知っている日本の企業名や商品名はまだまだごく一部に過ぎません。

国が異なれば当然企業名や商品名に対しての認知度が異なります。例えば、日本にあるホテルには様々な素晴らしいホテルがあると思いますが、私の知合いの中国人に“日本のホテルといえば”と聞くと、なぜか<プリンスホテル>と答える人が多いです。これは中国でのブランド戦略に成功している事例だと思います。また私が日本にくる前にヨドバシカメラやビックカメラは知りませんでしたが、上野アメ横の多慶屋(ディスカウントショップ)は知っていました。中国に対して知名度向上に成功している先見性のある企業は実際存在します。
―北山:顧様はニュースモーニングサテライト、日本経済新聞など、多数のメディアへも取り上げられていらっしゃいますね。顧様のご経歴をお聞かせ頂けませんでしょうか?

顧氏:生まれは中国上海市で、1994年3月22日に日本に来ました。今でも日にちは正確に覚えています。日本の中学と高校を卒業し、2003年に横浜国立大学経営学部を卒業しました。その後、カナダのバンクーバーにも留学をしました。カナダは移民の国ですが、近年中国本土から来ているお金持ちが増えました。中国本土の人達がカナダに移り住む前に豪華な家や車を買っているのを見て、中国の成長ぶりの凄さを改めて感じました。これをきっかけに、すぐに中国で仕事をしたいと思ったのです。

日本に戻り、すぐに中国に行かせてくれる日本企業を探しましたが、やはり新人を中国に行かせてくれる日本企業はほとんどありませんでした。それでも諦めずに探し続けた結果、中国進出を予定する企業を紹介いただきました。故郷である上海へ戻り、その企業と中国現地で新しい決済サービスを始めようと現地で会社を立ち上げました。昨年、中国でのベンチャー経験を経て急成長する銀聯のネット決済を日本のEC事業者様に使って頂くという夢を抱くSBIベリトランスという会社と出会いました。
―北山:銀聯カードはなぜあんなに人気が高いのでしょうか?
顧氏:一番の理由は、銀聯カードがあれば現金を持っていなくても銀行残高があれば買い物ができます。2008年でいうと日本での銀聯カード決済額は前年比で300%増の伸びを示しています。ここで銀聯カードのことをすこし紹介させて下さい。銀聯カードは中国の各銀行が発行しており、その枚数は18億枚にのぼります。18億枚のうち約17億枚の銀聯カードは、いわゆるデビットカードで、様々な銀行のキャッシュカード上に“銀聯”とマークのついたキャッシュカードなのです。残りの1億枚はキャッシング機能がついているキャッシュカードです。現在、銀聯は世界の6番目の国際ブランドをめざし海外展開しています。

中国人に対して銀聯カードの評判が良い理由は、中国から一定以上の外貨の持ち出しが禁止されている事にあります。中国人のお金持ちが好きなブランド品や腕時計を買うときに大活躍ですね。また、例え紛失しても簡単に悪用されないのも理由として挙げられます。あとは、日本はカナダなどの海外に比べて外貨両替できる場所が意外と少ないんです。
―北山:以前、秋葉原と新宿で外貨両替所を見たことがありますが、日本は海外に比べて確かに少ないですね。北京にはホテルや百貨店など外貨両替できる場所は沢山ありました。以前、日本に来た中国の方と近くの大手銀行に行ったら外貨両替はしていないと言われてしまいました。
顧氏:外貨両替は手数料もかかりますし、海外での外貨両替はとても面倒です。その為銀聯カードが中国人の決済のナンバーワン手段として人気なのです。
―北山:中国に関する事業内容は?
顧氏:大きく3つございます。一つは中国本土の消費者に向けたECモールです。佰宜杰.com(バイジェイドットコム)(月間約60万アクセス、会員約4万人)というショッピングモールがございます。銀聯ネット決済が日本ではじめて導入され、通販システム、翻訳、物流、ユーザ対応、プロモーションをワンストップで提供し、 日本企業が簡単に世界一のインターネット人口を誇る中国の消費者へ日本の商品を販売することができます。中国本土の方にとっては、中国にいながらにして、日本の商品を安心して購入できます。また、日本企業にとっては日本国内でECショップを始めるのと全く同じ感覚で中国本土を相手にショップを開店できます。佰宜杰.comを経由して中国本土より商品が購入されると、購入されたという情報が加盟店に行き、加盟店は商品を日本国内のバイジェイドットコムの倉庫(埼玉県)に送付します。バイジェイドットコムが商品を中国に発送します。問い合わせもバイジェイドットコムが一括翻訳しますので中国語での対応に苦慮する事はありません。実際、加盟店様にご用意いただくのは商品と商品のデータのみです。本当に気軽かつローリスクで中国進出できちゃいます。

中国ではインターネットで物を買う事に対して大分慣れ始めてきており、ネットショップ市場は成長段階に入りつつあります。しかし始めればすぐに儲かるほど簡単なものではありませんので、まずはスモールスタートをして頂き、市場が今後ピークを迎える前までに、ノウハウを貯めて頂きたいです。ある程度手ごたえをつかんで頂けましたら、モールを卒業して、独自のECサイトに銀聯ネット決済を提供させていただくことが弊社の最終目的です。

もう一つは、JJストリートという中国旅行社向け銀聯カード加盟店紹介サイトです。JNTOの調べで、中国人が日本にくる目的の一位は観光ではなく、ショッピングという結果があります。びっくりしますよね。先ほども申し上げた通り、中国人旅行者は銀聯カードを使ってたくさん買い物します。そこで、中国人旅行者が一番気にする銀聯カード決済が可能なお店を集めた中国人視点に立ったイエローページ的なサイトを作ろうと考えました。これがJJストリートです。ネット人口が世界一になった今、旅行も事前にネットで調べることが増えてきました。日本に来る前にどこで銀聯カードが使えて、この店はどこで何を売っているのか簡単に調べることが可能です。こうすれば、日本に来たら効率良く買い物ができますね。また、決済導入している企業はこのサイトに掲載する事によって13億人の中国人向けダイレクトにアピールすることができ、企業のネームバリューをアップさせることもできます。一石二鳥ですね。 さらに、バイジェイドットコムと併用すれば、帰国後気に入った商品や関連商品をネットショップで再度購入してもらう事も可能です。中国人観光客の新規獲得とリピーターの確保が可能です。
―北山:中国人にはどのような日本製品が人気なのでしょうか?
顧氏:人気が有る商品は、化粧品やアパレル、家電製品、健康美容関係です。男性は腕時計、メガネ、靴、等、一点ものが人気です。

日本の小売業は中国人旅行者の取込みに工夫している所も増えてきています。ヨドバシカメラでは中国語放送や中国人旅行者のフライトに合わせた営業時間の柔軟な対応を行なっています。また中国人はブランド物が好きですが、中国には偽物も多い為、本物で安いコメ兵が人気です。コメ兵では中国人旅行者に受けが良い、中国語対応可能なスタッフを増やす方針です。
―北山:バイジェイドットコムやJJストリートはどのように中国人を集客しているのでしょうか?
顧氏:一般的なリスティング、紙媒体での告知、WEB広告は勿論行なっていますが、特徴的なものとしては、提携先の銀聯のリソースを活かし銀聯や銀行関係の宣伝チャネルを使ってバイジェイドットコムを宣伝していただいています。これは銀聯とネットワークがないとなかなかできません。
―北山:7月1日に中国人個人旅行者が解禁されましたが、どんな変化がありますか?
顧氏:最近日本には中国人旅行者が増えたと思われている方も多いと思います。しかし本来はまだまだこんなものではありません。昨年約5000万人の中国人が海外へ旅立つなかで、日本を訪れたのはわずか100万人です。日本の現状ではまだまだインバウンドに対して消極的なので、今後さらなる中国人観光客受入数増加の余地があります。

JNTOと話したときに、今後観光立国を目指す日本は中国人旅行者をいかに受け入れるかが大きなポイントとおっしゃっていました。

今回の個人旅行自由化は中国国内では年収制限でビザが発行されるため、あまり評判が良くなく、実績も付いてきていませんが、今後はいっそうな規制緩和が予想され個人旅行者の数も伸びて来ると思います。

今まで団体旅行者が行かなかった場所に個人旅行者が行く可能性が十分ありますので、新しいビジネスチャンスを得られるところは多いのではないでしょうか。
―北山:3つめのサービスを教えて下さい。
顧氏:中国商標登録代行や中国向け広告サービスです。

こちらのサービスはSBIチャイナブランディングが実際行っております。
まず商標について、青森県や安室奈美恵、コシヒカリ、クレヨンしんちゃんが中国で商標登録された事は有名ですが、商標に関して、中国は日本と同じ先願主義になっております。他社に先願された場合は、自社商品が中国では商標権侵害と判断され販売できなくなる可能性があります。訴訟を起こせば勝訴の可能性はありますが、“無印良品”が起訴から判決まで約7年かかったように時間とお金がかかり、その間も被害を被り続けます。変化の早い中国でこれは致命的です。中国にいずれ進出する予定であれば、まずは商標を抑えておく事がトラブル防止につながります。特に漢字をつかっている商品名や社名は早期の取得をお勧めします。

また、弊社の商標登録代行は、単に登録代行するだけではなく、商品名やネーミングを考えるところから始まり、同じ様な商標がないかどうかの調査・確認、中国での弁理士による申請までをトータルで行なっています。

それから、中国商標をせっかく取得したが、何も公の場で使わず、悪用されるケースがあります。例えば、バイジェイドットコムがリリースされ日経新聞一面に載りました。その翌日から早くも偽サイトが登場しました。また、バイジェイドットコム(www.buy-j.com)に近いドメインも抑えられ、○万米ドルで買いませんかという売り込みが絶えませんでした。このようなリスクもありますので、商標取得を済ましたら、ウェブ上でアピールすることをお勧めします。

このように自己利益を守るときにネット広告を利用するケースもありますが、積極的に中国での自社知名度を上げるためのネット広告もできます。SBIチャイナブランディングは中国No.1、世界でもトップ3に入る百度(Baidu)と提携し、百度の日本における最大級のパートナーとなりました。今後中国マネーを呼び込むには自社ブランドの知名度向上が不可欠です。SBIチャイナブランディングがバイジェイドットコムやJJストリートで培ったノウハウを生かし、中国国内シェアおよび実績No.1の百度を使って日本のEC事業者様に最適なご提案をさせていただきます。
―北山:中国では日本以上にネーミングが売上げを左右しますよね。中国語は同じ発音でも沢山の言葉や意味がありますよね。
顧氏:口コミによるマーケティングも非常に重要ですので、覚えやすく発音しやすいネーミングが命運を分けます。日本人は通常この重要性をあまり理解していません。縁起の良い音や数字を含み、中国人にとって良いイメージにつながる覚えやすいネーミングをSBIチャイナブランディングが考案します。

例えば、コカコーラはとても良いネーミングの例です。コカコーラ(中国語:可口可楽)はもちろん発音が似ており、さらに、“飲んでおいしい、飲んで楽しい”という意味を同時に持っています。つまり、ロゴが良く縁起も良い例と言えます。本国での商品名に音だけ近い中国語を並べただけのネーミングもありますが、中国人にとっては親近感が低いと思います。。
―北山:二社のマネージャーをされていらっしゃるとなかなかリフレッシュする時間を調整するのが大変かと思いますが、運動などされていますか?
顧氏:中学の時にサッカーをやっていたので、今は週一のフットサルを楽しんでいます。最近はまっていることを言いますと、実は会社帰りに週4、5回バッティングセンターに行っています。またベランダでゴルフスイングの練習も始めました。(実際にゴルフに行く事は少ないのですが)私の住んでいるマンションはベランダが意外と広いんです。その他として、中国ビジネスはやはりコネクションが大切なため、ビジネスマンの方達を集めてイベントなどを開催し親交を深めています。
―北山:仕事もプライベートも充実されていますね!

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