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◆◆有限会社ヌーベル 羽田氏
有限会社スリーネイション 北原氏
- <前回のつづき>
- ―流行にはどう対処しているのですか?
- (羽田)
弊社は流行に関係なく、基本的には自分たちの作りたいものを作っています。消費者全員が流行り物を欲しがっているわけではありません。別のものを欲しがっている消費者も必ずいます。弊社は流行物を大量生産するのではなく、自分のスタイルを持っている消費者をターゲットにしています。流行のものを作る自信はありますが、それはやりたくないので、何らかの形で流行がこっちに来ることはあっても、自分からあえて飛び込んでいくことはありません。
(北原)
また、服飾デザイナーは流行を追いかける方が多いので、羽田さんは売り先をかなり絞られています。「時代が変わろうがどうしようが独自のものを作っていくのだ」というポリシーのあるお客さんが多いですね。
(羽田)
ですから、レディースメーカー相手の商売が極端に少ないです。レディースメーカーは流行を追いかけますからね。それは仕方の無い事だと思います。メンズの方がこだわっている人が多いいと思います。そのため、レディースの売り上げは全体の2割程度しかありません。ただ、自分の考えを押し付ける気は有りません。各自(各社)自由に考えたら良いと思うし同じ考えの仕入先や売り先とやっていけたら、幸せだと思います。 - -苦労などはありますか?
- (羽田)
やはり独自のものを作っていますから、単価がどうしても高くなってしまいます。新しい素材を作るのに開発費がものすごくかかるのです。その点について理解してくださる取り引き先がどれだけあるかというのが大きな問題ですね。また、日本で生産しているので、海外で売る際どうしても関税などが入ってきますから、日本で売るよりさらに単価が高くなるのがひとつのネックですね。しかしこれはどうしようもない問題です。それから、中国人のファッションなどに対する感覚が、思ったよりも進展しなかったですね。
(北原)
我々のいる上海は、世界的に見ても大きなマーケットになりそうじゃないですか。デザイナーもたくさん来ているだろうし、コツコツとやっていこうかなと思っていたのですが、我々のやっていることをなかなか分かってもらえないですね。 - ―テキスタイルの魅力は何ですか?
- (羽田)
布というのは、まだまだ未知の部分がいっぱいあります。そして、ちょっとしたことで生地の表情が変わるので、極端な話をしたら2度と同じものはできません。常に新しいものができると言うのが、とてもおもしろいです。僕は、服飾デザインよりテキスタイルのほうがおもしろいと思います。服飾デザインにはある程度限りが出てきます。例えば、3本足のズボンは作っても売れませんが、テキスタイルではそういう突拍子も無いこともできるからです。 - ―テキスタイルって楽しそうですね。
- (羽田)
楽しいですよ。だから、北原さんも服飾のデザイナーですけど、テキスタイルのほうにもだんだん興味を持ってきていますよ。
(北原)
デザインばっかりできても、素材が分からないと騙されることもありますからね。ワタから見られるような幅のあるデザイナーが増えないと、ホントにいいものを作れないと思います。ですから、あせらずに勉強していくべきです。そういう意味で私はラッキーですよ。
(羽田)
日本でも、有名な服飾デザイナーは素材のことも良く知っていますからね。勉強して、それを生かして服飾デザインをするから、皆さんに納得されるいいものができるのだと思うのですよ。
(北原)
基本ですよね。基本が大事です。
(羽田)
テキスタイルにも基本があります。その基本をきちっと理解して、後はそれをいかに自分流にアレンジするかっていうところですよね。後はそのアレンジする組み合わせが何千何万とありますからね。
(北原)
そして究極のものへという、やはり経験ですよね。
(羽田)
四季によってデニムの色が微妙に違うのですよ。湿度・温度などの影響で、色々と変化をするのです。この事を知るには全部経験なので時間がかかります。コンピューターでやってその通り出てくるわけではないので、とてもおもしろいです。デニム生地は、生きているのですよ。 - ―今後の夢はなんですか?
- (羽田)
後継者を育てたいというのが夢ですね。テキスタイルは大変な仕事ですし、一人前になるのに最低でも10年はかかる分野なので、今からじっくりゆっくり後継者
を育てたいと考えています。しかし若い人でテキスタイルに興味を持っている人が少ないのが現状です。どうしても服飾デザインのほうに行ってしまうのです。テキスタイルは地道で、表に出ない仕事なのです。実際ファッションショーに出て世界で有名になっているのは、みんな服飾デザイナーです。でも、その後ろには必ずそれを助ける縁の下の力持ちテキスタイルデザイナーがいるのです。
(北原)
ですから、生地にブランドをつけていきたいですね。
(羽田)
ブランドをつけるということは、服にブランドをつけるのと同じですから、
絶対に責任をもってやらないといけません。変なものを作ったら、一発でたたかれる訳ですから、常に緊張感を持って仕事をしてくということですよね。
(北原)
日本のテキスタイルデザイナーにもこういった誇りを持てるような、この生地のブランドのネームがほしいと言われるぐらいの力を持たないと、衰退してきていますからね。
(羽田)
衰退といえば、日本の伝統芸能です。腕のいい職人さんはたくさんいるのですが、販売能力が無いためにどんどん減ってきています。さらに値段が高いことも手伝って、なかなか売れないので、収入が減ります。収入が減ると、後継者を育てることすらできません。僕は、そういった職人さんたちを束ねて、マネージャーとして販売をしていきたいですね。日本に販売するだけでは販売数が不十分になりかねないので、世界に向けて発信していきたいです。うまく販売出来れば、収入を得て後継者を育てることができ、日本の伝統芸能に再びいい循環を築くことが出来るのではないかと考えています。
それから、布の染めとか織りというのは、中国から日本に伝わってきているものなので、原点である中国で昔ながらの製法を掘り起こして、何らかの形にしたいですね。
きっと田舎のほうならそういう文化が残っていると思うのですよ。あとは、世界中がびっくりするようなものを作りたいですね。素人からプロまで誰もが認めるようなものすごい生地を。
(北原)
好きだから次から次に目標が作れていますよね。こんな風に夢や目標が描けるというのはすばらしいことです。 - ―これから中国に来ようと思っている人たちへ一言おねがいします。
- (北原)
中国に限らず海外に出るということは言い換えればアウェーなわけですから、人の何倍もパワーや想像力なんかを兼ね備えていないと勝てません。言葉が違い
ますし、文化や考え方も違います。それを乗り越えて、自分のペースに持ち込んで、成功するという方法しかないですよね。(羽田)
それともうひとつが、何をやるかって言う目的をきちっと決めることです。
中途半端に上海がいいらしいというような考えだけで来たらだめだと思います。やはり、自分は何がしたいかという目標をきっちり決めてから出てくるべきです。きちっとした考えを持っていないと、チャンスを見逃してしまうこともあると思います。 - ―留学生に対して一言コメントをいただけますか?
- (北原)
やはり学生の間に社会勉強をして、その間にいろいろ覚えることですね。卒業してから動こうとするのではなく、前もって社会的経験を積んでおくべきです。
(羽田)
何かに興味を持って、それに向かって邁進していくことが大切です。方向を間違えるかも知れませんが、違ったらまた直せばいいだけのことです。ただ漫然と来て中国語だけ覚えるだけでは、留学で得られるものも半減してしまうのではないでしょうか。 - ―御二方の作品を見たい時には、北原さんのショップかヌーベルの事務所に見学に来てもいいですか?
- (羽田・北原)
大歓迎ですよ。忙しくて相手はできないかもしれませんが(笑) - ―ありがとうございました。
- 有限会社ヌーベル 羽田氏
所在地(日本):大阪市西区西本町1-12-7西本町木津ビル6F
tel:06-6110-8411 fax:06-6110-8412
所在地(上海):上海市長安路101号芸術倉庫F1
tel:86-21-63811386 fax:86-21-63812532 -
有限会社スリーネイション 北原氏
所在地(日本):東京都渋谷区神宮前2-33-12 ビアビアンカ 402号
所在地(上海):上海市長安路101号芸術倉庫F1
tel:86-21-63811386 fax:86-21-63812532
SHOP(上海):上海市思南路36号 tel/fax:021-53825122 -
取材:小林直樹
執筆:嶋田恒平
同行:堀江優人 - 【編集後記】
インタビューを通して、生地作りに携わって30年以上経った今でも、常に目標を持ち続け前進し続けている羽田さんの熱い気持ちがビンビン伝わってきました。この記事を通して、この熱い気持ちを読者の皆様に伝えることができていれば嬉しいです。(恒平)
【今回の企業】
昨今ほとんどの衣類は工場で大量生産されている。そんな中、生地の質にこだわり、大量生産でなく「本物」を目指して素材を作り続けているテキスタイルデザイナーの羽田氏にお話を伺った。また羽田氏のパートナーで服飾デザイナーの北原氏にもご同席いただき、いくつかのコメントをいただくことができた。
◆◆RINKOKU企業紹介ページはこちらから
http://www.chinabusiness-support.com/archives/1416
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- 「せっかく中国経済の中心地・上海でいるんだから、生の中国ビジネスに触れたい!」そんな思いを胸に、当時、上海財経大学に留学していた小林直樹が立ち上げたサークルです。現在のメンバーは、日本人留学生と中国人大学生で構成されており、上海で活躍する日系企業を取材し、それを「RINKOKUメールマガジン」として発行中です。他にも、留学生向けセミナーや、中国人学生向けの企業見学会を開催しています。全活動の方針を決める定例会議を、毎週土曜日午前10時より、上海財経大学の中山北一路校区で開いています。










