- ―北山:スウィングバイ2020とはどういう意味なのでしょうか?
- 小泉氏:スウィングバイとは宇宙用語の一つなのです。宇宙船が惑星に近づいた際、その天体の重力を利用して更なるエネルギーとスピードを得て宇宙のはるかかなたに飛び立っていく事を意味しています。
エコノミストの間では、中国のGDPは2020年にアメリカを抜いて世界第1位になると言われていますが、つまり宇宙船を中国に、惑星をアメリカに例えています。このままでは日本は世界から完全に置いていかれてしまいます。その危機感を込め、2020年のその時までに日本が中国と組むことによってグローバル化を図ることが弊社の使命です。 - ―北山:企業がグローバル化をするには、どうすればよいのでしょうか?
- 小泉氏:企業のグローバル化と聞くと、海外子会社の設立を連想される方がいます。しかし、必ずしも海外に会社を作らなければ企業のグローバル化ができないという事ではないと思います。例えば国内で行っている業務の一部を海外に移管する事で、必然的に海外と業務上のやり取りが増えます。これにより業務を実施する上で、日本人の考え方がグローバルな視点で通用しないことがわかってきます。
- ―北山:御社は、会社設立当初から中国BPO事業を行ってきたのですか?
- 小泉氏:いいえ、違います。実は、当初はBPOを考えていませんでした。ただ、社長の海野が大連・北京・上海で現地企業240社を訪問したり、いろいろ調査したりする中で、日本企業の本社がグローバル化の足かせになっている事が分かってきて、その解決策として中国BPO事業が具体化してきました。
- ―北山:アクセンチュアに32年勤務され、社長を勤められた御社海野社長の著書を拝見しました。
“本社も経理も中国へ”とは面白いタイトルですね? - 小泉氏:この本では、日本の国際分業に対する考え方に一石を投じています。日本の管理部門で働く方の中には、残念ながら「日本本社から海外の生産拠点や販売拠点に赴任しているの日本人社員に指示を出していれば、それでいいだろう」と安易に考えている方が少なくありません。そういう方達が本社にいるとグローバル企業としては足元をすくわれることになるのではと問いかけています。
世界中で頑張っている販売部門の方はリアルなニーズを現場でキャッチしています。そこで良い企画を考えても、日本本社の経営方針や人事方針に合わないなどと言われ、汲み取ってもらえない日本企業では世界のマーケットでは生き残る事ができません。
中国で日本の携帯電話会社が通用しなかったのは、本社サイドが現地中国人サイドを信用せず、権限を与えなかったのが原因です。日本から高給の日本人スタッフを管理監督の為に何人も送り込んでいてはコスト削減はできず、撤退を余儀なくされるのも当然です。
考えてみれば、総司令本部自体も必ずしも日本にある必要はなく、場合によっては世界各地にあっても良いのではないでしょうか。世界中で一番便利な場所から人材を調達し判断ができるような国際分業体制を構築するという柔軟な意識が必要です。
- ―北山:経理や人事に外国人が手をつけるのはタブーと思っている企業が多いですよね?
- 小泉氏:おかしなことですね。外国人だから信用できないという考え方はナンセンスだと思います。
弊社のBPOサービスでは、営業業務や経理業務の中国へ移管しています。個人情報の取り扱いが必要な業務も、個人の特定ができない形にデータを分割して処理しております。効率も良く、日本で日本人がやるよりもミスが減り、スピードも上がります。 - ―北山:経理や人事に外国人が手をつけるのはタブーと思っている企業が多いですよね?
- 小泉氏:おかしなことですね。外国人だから信用できないという考え方はナンセンスだと思います。
弊社のBPOサービスでは、営業業務や経理業務の中国へ移管しています。個人情報の取り扱いが必要な業務も、個人の特定ができない形にデータを分割して処理しております。効率も良く、日本で日本人がやるよりもミスが減り、スピードも上がります。 - ―北山:御社本社の社員は半分以上が中国人ですね?
- 小泉氏:特に意識的に「日本人を、」とか「中国人を、」とは思っていませんが、現在結果としてそうなっています。弊社大連BPOセンターには、本社の考え方を理解し、中国人の価値観が判る中国人を総経理(社長)に据えています。やはり中国人社員のハートがわからない日本人では、命令には従うかもしれませんが、社員は心の底からやる気にはなりません。
- ―北山:企業が海外へのBPOをする事はどのようなメリットがあるのですか?
- 小泉氏:まず、基本的なニーズとしては2つあります。人件費の抑制と優秀人材の確保です。人件費は4分の1、オフィスコストは10分の1程度になります。
近年、日本では優秀な人材を集めにくくなっていますが、中国には毎年600万人もの新卒者がいます。その中に優秀な人材も多数います。ところが、中国国内での新卒求人件数は400万人で、200万人の優秀な新卒学生が余っている状態なのです。こういう状況が学生の優秀さを更に加速させています。この新卒学生を日本企業は積極的に採用しない手はありません。勿論、直接自社で採用するのも良いのですが、BPOを通して間接的に優秀な人材を活用することができます。
他にも、社内の優秀人材へのリテンション策としてメリットがあります。単調な仕事を優秀な人材にさせてしまうと、仕事の満足度が落ち、辞めてしまい人材の流出が起こります。優秀な基幹人材からは単調な業務を外し、その業務を外部にアウトソーシングする事で、優秀人材のモチベーションが高まり、退職防止にもなります。 - ―北山:海外へのBPOを取り入れるのに適した企業規模や業種はありますか?
- 小泉氏:特にありません。、中小企業でも今よりはコストは安くなるし、充分にメリットはでます。大企業のみがBPOに向いているわけではありません。
業種による向き不向きもないと考えます。対面で物理的に物品の受け渡しが必要ないデスクワークは、すべてBPOの対象になりうると考えます。 - ―北山:日本企業のグローバル化へのきっかけとなるサービスを提供しているということでメディアに取り上げられていますが、どのようなサービスですか?
- 小泉氏:弊社のBPOの目的は日中間の人件費差を使ってコスト削減を図るだけではありません。真の狙いは、非効率的な日本企業のデスクワークを中国人の持つグローバル標準な仕事への取り組み方を活用して解決し、“チャイナパワー”を利用し、コスト削減のみならず部門全体の生産性を向上させるのがスウィングバイ2020の狙いです。
- ―北山:どのように“チャイナパワーをー”を部門全体の生産性向上に活かすのですか?
- 小泉氏:まず、聖域と考えられていた本社部門の一部が海外へアウトソースされることで、社員全員が自分の仕事にも危機意識を持つようになります。
また、弊社ではグローバルリーダーシップ研修というものを行っていまして、既に過去5年間で450名を超える方々に参加頂いています。これは、成長している中国のビジネス環境の自ら身を置き、危機意識を持って頂くというものです。企業の部長さん達に大連に来て頂き、中国でビジネスを立ち上げて成功している現役の中国人社長や、日本から中国に派遣されている総経理(社長)や、BPO現場を見学します。中国の成功者はどんな事を考えているのか?日本人総経理は中国人社員を掌握するためにどのようなことをしているのか、という事を体感頂きます。最終日には青空市場で売値の3分の1の価格で買い物ができれば合格という企画も設けています。
中国で活躍する経営者と会って頂く事で、日本でゆったりと仕事をしている自分との温度差を感じて頂きます。外部のコンサルを入れると一時的に会社はよくなりますが、弊社は社員の心の底にある考え方そのものを変えたいと考えています。 - ―北山:面白い研修ですね。実際に効果は現れているのでしょうか?
- 小泉氏:海野の著書に参加者の最終日のアンケートを掲載していますが、中国人の生きることへの爆発的エネルギーとグローバルさを感じて頂いています。また、弊社のクライアントの住友化学様は3年間この研修を行って頂いていますが、各部門の意識が変わり、モチベーションが上がっています。
また、中国に対する意識も変わります。BPOセンターの現場を見て頂いて、中国人が権限を持ってやっているのを見てもらいます。そうすると、どうしても日本人がやらなければいけない業務はないと気がつきます。
中国人の考え方や、仕事への熱心さも知り、日本の本屋で売っているような“中国人は皆嘘をつく”という事ばかりではない事を部長クラスが理解します。それを帰国後、部下にも伝えますので、会社全体が変わってきます。
グローバル化には、外国人の物の考え方肌で感じる経験がひつようです。中国ビジネスで成功をしようと思えばなおさら必要なことです。 - ―北山:BPOのほかにどのようなサービスを提供していますか?
- 小泉氏:中国への実際の事業進出を支援しています。具体的な過去実績事例としては、上海でのコールセンターの立ち上げ(コールセンターの運営には免許が必要)、ビジネス開始に際しての商標登録等の支援をしています。中国進出支援については、進出前、進出中、進出後の支援があります。住友化学さんには、進出後もコンサルティングいう形で支援を継続しています。例えば現地の社員が辞めないようにする為に社員を継続的にフォローするサービスも提供しています。
- ―北山:小泉さん自身はどのようなお仕事をされて来たのですか?
- 小泉氏:アクセンチュアの出身でキャリアは21年です。アクセンチュアでは通信業、金融業、官公庁の業務コンサルティング、システム導入に携わっていました。今の仕事内容にはつながっていますね。
- ―北山:最近ハマっている趣味はありますか?
- 小泉氏:私は、プライベートでは地元で地域活動をやっています。平日の夜に打ち合わせを行い、土日に地域イベントに参加するので、結構忙しいです。

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スウィングバイ2020株式会社
スウィングバイは中国への業務アウトソーシングビジネスを通じ、日本企業の本社のグローバル化と組織の変革を狙います。
所在地:東京都中央区東日本橋1-11-15
リバーサイド和興ビル3F
TEL: +81(0)3-5833-7188
URL:http://www.swingby.jp
スウィングバイ2020株式会社パートナーページはこちらから







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