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セミナー

◆◆第1講 中国の航空事情について考える(その1)
「会社の規則で中国の飛行機には絶対乗らない」

10年前にこう言う話を聞いてひどく驚いたことがあった。しかし、いまだにこのようなポリシーを守っている会社もあるらしい。まぁ、実際に大きな事故が起こったときの補償の問題などを考えたら、たしかに「乗らないに越したことはない」のかもしれないが、近年ではもはや、中国系各社による重大事故が起こる確率が著しく高いとも思えない。ややもすると「せっかくそういうルールが社内にあるなら、あえてそれらを『改悪(?)』することはない」と考える勢力があるから、と勘ぐりたくもなる。

では、「中国の飛行機が不評」な理由はどのあたりにあるのだろうか?利用者の観点から考えてみると、1つは、「地上サービスのレベル(が低い)」、2つ目は、「機内サービス(が悪い)」、もう1つは「機体そのもの(が悪い)」といった3つのポイントが上げられるだろうか?

それぞれのポイントに関する核論については後日述べるとして、ここで特筆したいのは、おそらく10年以上前には確実に「不評な理由のトップ」だった、「遅延が多い」というポイントはもはや言及不要だ、という事実だ。

21世紀になって中国ビジネスに付き合うようになった方はご存じないかもしれないが、その昔、中国の航空業界は「中国民航(CAAC)」という国営会社(現在は、監督官庁としてその名が残る)がすべて取り仕切っていた。当時はあまりにも遅延、取り消しが多かったことから、外国人の間ではこのCAACの略号を、”Chinese Airlines Always Cancel”と揶揄されていたほどだ。

たしかに現在もなお、霧や台風など、天候を理由とした遅延や取り消しが皆無とはいえない。ただ、かつてのように、飛行機がそもそも足らない、保守点検が悪くて飛行機が使えない、管制塔の停電で飛びたくても飛べない、といったいわば二次的、三次的な理由で生じる問題は激減したと言って良いだろう。

いまの中国なら、上海拠点に北京や広州へ日帰りするビジネスマンがいても少しも不思議はない。「今日中に目的地につければOK」と考えられていたあの当時とは隔世の感がある。

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伊藤雅雄

◆◆伊藤雅雄
大学で中国語と比較文化論などを研究。
卒業後、旅行会社に就職。以後20年あまり、方面を問わず「日本人の行きそうな外国の街」のほとんどを添乗や視察、営業などの目的で渡航。

とくに中国への造詣が深く、25年間で全土の省・自治区をほぼすべて訪問した。
業務の合間に地元の人々からさまざまな情報を仕入れ、「人々の暮らしや習慣」に興味を持つようになり、やがてエッセイやコラム執筆を始める。

2007年夏よりイギリスに在住。近著に「中国人ご一行様からクレームです(三修社刊)」。
雑誌への寄稿なども多数。

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